全国に270万人の患者がいるともいわれる糖尿病。
予備軍を含めると国民の5人に1人が糖尿病のリスクを抱えているといわれています。
ひとたび糖尿病になってしまうとさぁ大変。
日々の食事にも制限がつきますし、さまざまな合併症のリスクが高まります。
年を取って介護施設を探そうとなったときにも、糖尿病もちの方は、医療ケアが必要なためといった名目で入所を断られることが多いです。
このようにさまざまな関連リスクが存在する糖尿病。
一度発症してしまうと一生治らないとも言われているだけに、大事なのはいかに予防するかという点になります。
今回、そんな糖尿病の予防に関して、国立病院機構京都医療センターが興味深い発表を行っているのでご紹介します。
国立病院機構京都医療センターがイギリスの医学誌に発表した論文によると、定期的な電話による予防支援によって、糖尿病予備軍の発症率を約4割程度減少させることに成功したとのことです。
実験の内容は、全国2600人の糖尿病予備軍を、電話による定期的なアドバイスを行うグループと、アドバイスなしで各人が自主的に運動に取り組むグループに分けて、その後の変化を調査したとのことです。
電話でのアドバイスを行うグループに対しては、定期的に保健師が減量や運動に関するアドバイスを実施。そのほか、ともに考え、励ますなどのメンタルケアも行いました。
2007年から5年間にわたり行われた実験の結果は先にご紹介したとおり。
電話による予防支援を行ったグループは行っていないグループに比べて、約4割もの発症抑制効果があったそうです。
定期的な電話だけで4割もの差が出たことは驚きですが、支えてくれる人がいることはそれだけ減量や運動をする上で効果が大きいということでしょうね。
最近話題のライザップなんかも、トレーナーがマンツーマンで熱い支援をしてくれることが、結果を出すことに繋がっているなんて話もありますからね。
やはりともに考え、話を聞いてくれる人の存在というのは大きなようです。
当サイトが案内している見守りサービスでも、定期訪問のサービスをお付けしていますが、訪問していろいろお話をお伺いする中で「話を聞いてもらって楽になった」というご高齢者の方はたくさんいらっしゃいます。
何かに取り組む上で、支えてくれる人の存在というのはとても大事なようです。
話を戻して糖尿病予防の話。
今回の実験では、定期的に電話をかけるという取り組みやすい支援によって、4割減少という高い予防効果が確認されています。
糖尿病になってしまうと、以後ずっと治療や通院が必要になることが多く、患者さんの経済的・時間的負担が多くなってしまいます。
また、生活習慣病患者の増加は、国の医療費増加にもつながり、ひいては私たちの暮らしが厳しくなることにもつながりかねません。
今回の糖尿病に限った話ではないですが、いざ病気になってから慌てて治療するよりも、普段から予防に努めていたほうが、本人もまわりの人の負担も軽くなることが多いです。
介護に関しても言えることですが、いざなってから慌てるのではなく、日々の予防に重点を置いた施策が今後ますます重要となるのではないでしょうか?
いささか早計な意見かもしれませんが、予防医療の推進という意味で、一部の予防サービスに対しての医療保険の適用なども検討する時期が来ているのではないか。そんなことを考えました。